旅先でしか出会えない味というものがあります。その土地の料理はもちろんなのですが、原材料がその地域でしかほぼ出回っていないため普段は目にしないようなものがたくさんあるのです。例えば青森のりんご、だけだったら全国で手に入りますが、その中でも何かブランド名がついているものは市場に出回らないことも多いでしょう。そんなものの代表がお肉です。ブランド牛は私達が目にするのよりも多くの種類がありますが、そのご当地に行かないと知ることの出来ないものがそこかしこにいます。その1つが「秋田由利牛」です。秋田ってついていますので秋田県のお肉なのでしょうか?そして秋田に行かなくても食べることは可能なのでしょうか?
秋田由利牛のふるさと
秋田由利牛が育てられているのは秋田県の由利本荘市というところです。秋田県の南の方にある市です。かなり大きな市で、秋田県の面積の1/10にも及び、神奈川県の半分くらいの広さがあります。なので市内でも天気予報が場所によって違うというものすごいことに。広い。そんな由利本荘市の中でも鳥海山の麓の鳥海高原で秋田由利牛は育てられています。鳥海高原は昼夜の気温差が大きいため、良質な牧草が豊富にあります。更に山の麓ですので、山からの雪解け水も豊富にあり、しかもミネラル豊富なので栄養バツグン。そこに米どころ秋田ですので、稲わらも大量に手に入ります。このように栄養満点な餌と水で秋田由利牛は育てられています。地域の中で繁殖・飼育を一貫して行えるのがこの土地の利点です。なんと年間2500頭もの子牛を出荷しているんです。
ところが、秋田県は元々牛を食べる文化があまり定着せず、比内地鶏に代表されるような鶏肉文化の方が盛んでした。なので子牛の半数以上が他の地域に出荷されて別の銘柄の牛として飼育されて販売されているのが現状のようです。
秋田由利牛について
元々秋田県では三梨牛という牛が高級なブランド牛として有名でした。ところが、この牛の数が減ってしまいそれに代わるブランド牛として誕生したのが由利牛というブランド牛です。その後平成14年に東京都の卸業者と契約を結び三越で販売されていたときについた名称が「秋田由利牛」です。その後三越での販売はなくなりましたが、平成19年に「秋田由利牛」の名前で地域団体商標を取得して秋田由利牛振興協議会が普及に力を入れています。
秋田由利牛について解説していきます。
秋田由利牛は定義がとても厳しく定められています。秋田しんせい農業協同組合のゆり牛肥育部会に所属、もしくは所属している牧場の飼育による黒毛和種であることが最初の条件です。つまり所属していないと名乗ることは出来ません。しかもその条件を満たしつつ、もし他の地域から素牛を入れた場合には20ヶ月以上所属の牧場での飼育が必要です。更に、飼料に関しても決まっていて、出荷6ヶ月前から飼料米を1日1kg以上食べている牛であることが条件になっています。指定牧場での飼育が条件として入っているブランド牛はたくさんありますが、餌の指定がされているブランド牛はほとんどありません。それだけ徹底した品質管理を行っているということです。
気になるのは味ですよね。ストレスなく大自然で育った秋田由利牛は適度に引き締まった肉質で、赤身の中にきめ細やかな脂のさしが入っていて、そのさしも含めミルキーで美味しいのが特徴です。色味は、生の秋田由利牛を見るとよくわかるのですが、牛肉なのにも関わらず、サーモンピンクや桜色と表現されるような、鮮やかな色味をしています。こんなに色鮮やかなお肉はそうそうないです。
秋田由利牛はどこで買えるか
こうやって色々書かれると食べたくなりますよね。しかし、現地にそう簡単に行かれないのが現実です。早く便利なドアが実装されて欲しいところです。なので代わりにネットで通販しちゃいましょう。
<秋田かまくらミート>
秋田のお肉を買うならここです。名前の通り、秋田で飼育されているブランド牛を買うことが出来ます。用途に応じて買い分けることができるので、とても便利です。また秋田由利牛で作ったカレーも販売しています。その名も「秋田由利牛カレー」そのままの名前です。
電話かメールフォームでの問い合わせが必要です。
http://www.akitakamakura-meat.com/index.html
<鳥海お取り寄せ便>
JA秋田しんせいの通販サイトです。つまりは直売です。こちらも用途や部位を選ぶことが出来ます。カレーもあります。秋田由利牛味噌漬けなんてのもあります。
商品カテゴリーにはっきり「秋田由利牛」ってあるので、推しているのは間違いなさそうです。
http://www.akita-shinsei.or.jp/shop/
秋田由利牛は通販で購入可能?秋田の名産を食べる。まとめ
これだけ美味しそうな牛ならぜひとも全国展開していただきたいところですが、なかなかそうはいかない事情もあるのでしょう。けれど、近年では県内だけではなく首都圏でも注目が集まっているということですので、もしかしたら身近に食べられる日も近いかもしれません。けれどそれまではやっぱり通販が一番早そうです。ぜひ、お試しください。