牛肉っておいしいですよね。
高級なお店で食べるのも格別ですが、
いまではチェーンの牛丼屋で安価で食べられるので、日本人にとってもかなり身近な食材です。
私も大好きです。
でも、健康診断で「コレステロールがちょっと…」って言われると、
真っ先に食べるのを控えてしまうのも肉類の中だと牛肉じゃないでしょうか。
あの脂身がどうしても目の敵になってしまいます。
ダイエット中だと牛丼屋なんてもっての外!ってなりますしね。
牛肉はそんなにコレステロールの敵なのでしょうか。
コレステロールってところで何?
まず、コレステロールがこんなに悪者扱いされる理由と
そもそもコレステロールって何ぞやというところから紐解いていきましょう。
コレステロールとは脂質の一種です。
血液検査でよくコレステロール値ってあるので、
血液中にあるのはイメージがあると思うのですが、コレステロールは他のところでも大活躍しています。
脳や内臓や筋肉にも使われていて、細胞膜やホルモンの材料にもなります。
つまり、人体には無くてはならないものなのです。
コレステロールめっちゃ重要です。
特に人間は60兆もの細胞で成り立っていますので、
それらを形成する細胞膜の材料がコレステロールということを考えても必需品なのがわかります。
超重要なものなのです。
けれど、そんなに重要なものなのにどうしてこんなに敵視されてしまうのでしょう。
コレステロールは脂質、つまり油です。
あんまり水には溶けません。
血液は液体ですので、もちろんコレステロールは溶けません。
なので、血液と馴染みやすいタンパク質に包まれて血液中を移動します。
このタンパク質に包まれた状態の大きさと重さによって4種類に大きく分かれるのですが、
その中で私達がよく耳にするのはその中の2つ。「HDLコレステロール」と「LDLコレステロール」です。
この2つの通称が良くないんですよ。「善玉コレステロール」と「悪玉コレステロール」ですよ。
一気に悪者感満載です。
HDLコレステロールは体全体から余ったコレステロールを回収するので善玉コレステロールと呼ばれて、
LDLコレステロールは全身にコレステロールを運んで回収機能がないため悪玉コレステロールと呼ばれています。
別に悪さをしてるわけではないんですが、
LDLコレステロールは余分なコレステロールを回収せずにどんどん運んで溜め込んでしまうので、
この数値が高いと良くないと言われるようになってしまったのです。
牛肉とコレステロール
牛肉にはどの程度のコレステロールが含まれているのでしょうか。
部位によって違いはあるのですが、1
00gのお肉で考えていただくと、
もも肉が61~67mg、
肩ロースが59mg~69mg、
ヒレが62mg~64mgくらい
とされています。
幅があるのは脂身の量で若干変わるからです。
他の肉と比べてもたいして差はありません。
むしろ鶏もも肉の方がコレステロールだけで言ったら含有量は高いです。
つまり、牛肉だけがコレステロールの高いお肉ってわけでは決してないんです。
じゃぁ、どれだけ食べたらコレステロールの摂りすぎになるのかと思うかと思いますが、
実はコレステロールの量だけで言ったらはっきり言ってどれだけ食べてもいいんです。
ちょっと驚きですよね。
実は、コレステロールの1日の摂取量の上限というのは廃止されているんです。
それもこれも2015年に、
アメリカ政府の食生活ガイドライン諮問委員会が「コレステロールの摂取は健康に影響しない」
と発表したんです。
同じ年に日本も、食事からのコレステロール摂取は健血液中のコレステロールの数値に影響はあんまりない、
ということで厚生労働省が摂取基準を撤廃したんです。
日本動脈硬化学会も同じ様な時期に同じ様な声明文を出しています。
つまり、コレステロールの観点だけで言えば、別に牛肉たくさん食べてもあんまり関係ないんです。
むしろ、牛肉は善玉コレステロールを上昇させる
パルミチン酸が含まれていたりとどちらかというとプラスの部分もあるんです。
じゃぁ、何がコレステロールを増やすの?
食べ物のコレステロール値が問題ないなら、
何が問題なんでしょうね。
その原因は油にあります。
悪玉コレステロールを増やす油はバター、ラード、肉の脂身などです。
はい、ここで登場しました、肉の脂身!そうなのです、
牛肉がコレステロールに悪いと言われてしまう原因は脂身なんです。
他の肉の脂身もそうなのですが、
飽和脂肪酸というものが含まれている油は悪玉コレステロールを増やしてしまい、
余ったコレステロールを溜め込んでしまうので、悪者にされてしまうのです。
ですので、脂身を食べすぎないように気をつけることでコレステロール値の上昇を抑えることができるのです。
まとめ
牛肉は決して悪い食べ物ではありません。
脂身には注意が必要ですが、決して避ける食材ではありません。
美味しいですし。栄養価も十分あります。
ですので、気をつけるべきは脂身と食べ方です。
バター焼きとか美味しいですけど、
そうすると飽和脂肪酸を一緒に摂ってしまうのであまりオススメは出来ません。
シンプルに塩コショウだったり生姜やにんにくなどを使うといいのではないかと思います。
含有コレステロールは気にせずに美味しく牛肉を食べましょう。