最近では、ブランド和牛が全国に溢れていますね。
多くのサイトには美味しそうな牛肉がありすぎて、選べないほどです。
そんな時に、購入の決め手となるのが、牛肉のランクなるもの、「A5」とか「A4」とかいうあれです。
でも、何が「A5」で「A4」との違いは何か、なんてわかりませんよね。
とりあえずランクが高いものほどおいしいのだろうという、あやふやな判断で、年に数回あるかないかの贅沢(これはあくまでも私個人の経験と考え方ですよ)をしているのです。
せっかくの贅沢なら、本当においしい牛肉を選びたいですよね。
そこで今日は、牛肉のランクについて、その決め方やおいしさとの関係などについて、専門外の私が、素人だからこそのわかりやすい解説をします。
私の結論を先に言っておきますと
牛肉のランクは、調理方法を考えるための指標だと思った方が良い。
以上が結論です。
何故なのか?
をこれから説明します。
牛肉について、豆知識を自慢したい人からただただ美味しい牛肉を追求したい人まで、ご満足いただける内容を目指しましたので、どうぞ読んでみてくださいね。
牛肉のランクはこうやって決められている
牛肉の格付けは、日本食肉格付協会(JMGA)が行っています。
目的は、公正な取引を確保するためです。
ランクは、
歩留(ぶどまり)等級:A~C
肉質等級:5~1
の二つによって決められています。
@歩留等級
枝肉の食べられる部分がどれくらい多いのか(歩留まり)が判断の基準になっています。
#枝肉・・・牛の頭部・皮・内臓などを取り除いた肉牛のこと
枝肉の食べられる部分が多い(歩留まり率が高い)ほど、生産効率が良いので、業者が買い付けるときの基準目安になります。
ですので、最終消費者の私たちには、あまり関係のないランクなのです。
実は等級がAでもCでもおいしさとはほとんど関係ないのです。
私たちにも関係してくるのは、肉質等級の方ですね。
@肉質等級
霜降りの度合い
霜降りとは、お肉の中にまばらにある脂肪分のことです。霜降り加減が多いほど数字が大きくなります。
肉の色つや
赤身の肉の部分が、赤色が薄すぎず、濃く過ぎず、つやが良いものが良いとされています。
肉の締まりとキメの細かさ
きめが細かくしっかりと締まっているものほど良いとされ、見た目と共に触感で判定されます。
脂肪の色つやと質
脂肪部分がつやがあってうま味と香りが良いものが高い等級になります。
以上の4項目を見た目で判定し、5~1に格付けされています。
そして、4項目の中で最も低い格付けがその牛肉のランクになります。
例えば、霜降りと脂肪の色つやが5のランク、肉の色つやと締まり、きめ細かさが4のランクだったとすると、4等級に格付けされます。
5等級というのは、すべてが5のランクだという事ですね。
「じゃあ5等級の牛肉が一番おいしいと言えるよね」と思ったあなた、
確かにそうなんですが、もし、あまり霜降りが好きじゃない人、赤身が好きな人なら、5等級の牛肉をおいしいと感じるでしょうか。
そうなんです。
当たり前ですが、美味しいと感じる味は、人によって違います。
また、調理方法によっては、3等級当たりの牛肉の方が美味しい料理になることもあります。
一概に、5等級が最もおいしい牛肉だとは言えないのではないでしょうか。
なんだかややこしい話になってきましたね。
とりあえず、牛肉のランク付けは、それほど気にする必要もないという事なんです。
だって、牛肉のランクには、“美味しさ”という判定基準はないんですから。
ではなぜ、高級ブランドの牛肉や和牛などは、肉のランクがあんなにも大げさに公示されているのでしょう。
牛肉のランク付けはなんのため?
私たちには、あまり意味のない牛肉のランク付け表示。
では、何のためにランクが表示されているのでしょうか。
それはおそらく、購買意欲を促進するため、そして高級牛肉としてのセールスポイントになるためではないでしょうか。
普段のお肉を買うときには、あまり気にしないランクでも、ぜいたくをするときの高級牛肉やお店で食べる時などは、A5やA4ランクの牛肉を選ぶようにしていませんか?
高級ステーキを食べる時に、わざわざB3やC5の牛肉を選びませんよね。
お店の方も、BやCランクの牛肉を使っていても、ほぼ表示していないと思います。
凄く美味しい牛肉が食べられるお店だったとしても、「ここは、ランクの低いお肉を食べさせるお店だ」なんてレッテルを貼られる可能性があるからです。
結局私たちが、ランクを気にしすぎているんですよね。
お肉のプロの方によると、ステーキや焼き肉は3~4等級の牛肉の方が美味しく感じるそうです(もちろん人によります)
5等級で霜降りがすごい牛肉は、脂がしつこく感じてしまうので、すき焼きやしゃぶしゃぶで食べたほうが美味しいそうです。A5の牛肉ステーキを奮発したのに、思ったほどおいしくなかったという経験はありませんか?
だから
牛肉のランクは、調理方法を考えるための指標だと思った方が良いのかもしれませんよ。
そういう視点で牛肉を選ぶとあなたならではの選び方ができて 面白いと思います。
「牛肉のランクでおいしさが決まるわけではないらしい」説を調べてみた! まとめ
今日は、牛肉のランクについて解説しました。
牛肉のランクが、美味しさとは関係のないものだということ、よくわかっていただけましたか?
格付けは、あくまで牛肉を買うときの一つの参考材料と考え、A5ランクという魅力的な文字に惑わされずに、いろいろな調理方法で牛肉を食べて、あなたの味覚を満足させてくれる牛肉を見つけるようにしましょうね。